配線ダクトに求められる自己消火性

ダクトといえば空調や換気のためにビルや住宅などに設置されるエアダクトが有名ですが、簡単に言えば何かの通り道となる管状の設備ということになります。

したがって、空気を通す以外の目的で設置されることもあります。その1つが、配線ダクトです。配線ダクトは、その名の通り電気の配線を通すためのダクトです。通常は細長いレール状の製品で、この中に電源ケーブルなどを収めます。通常は天井裏や壁の中に隠されていますが、外部に露出したまま取り付けられることもあります。

OA化が進んだ現代のオフィスなどではデスクとデスクの間などに設置し、パソコンやコピー機などを新設したりレイアウトの変更をしたりする時でも簡単に配線をし直すことができるようにしてあることもしばしばです。この配線ダクトには耐久性や絶縁性などさまざまな性能が求められますが、自己消火性もそうした性能の1つに含まれます。自己消火性とは、炎にさらされている間は燃えるが、炎から遠ざかればすぐに燃えなくなる性質のことをいいます。

「燃えにくさ」とおおむね同義であると言えますが、自ら火を消すという点に特徴があります。配線ダクトは電線の通り道であるため、漏電等による火災が発生しやすい箇所でもあります。そして、いったん燃え始めると今度は炎の通り道となって被害を拡大させてしまう原因にもなりかねません。そのため、配線ダクトに用いられる素材には、高いレベルでの自己消火性が求められます。

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